クライマーズハイー名言集ー

小説「クライマーズハイ」の気に入っている言葉を紹介します。

備忘録もかねて。

 

目次

 

 

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

 

小さなことを恐れなさい

小さなことを恐れなさい。
大きなことは、どうにもならない。

 

小さなことを恐れなさい。
大きなことは、どうにかなるの。

 

小さなことを恐れなさい。
小さなうちに、恐れなさい。

 

 

クライマーズハイ

クライマーズハイというものは本当にあるんですか」

「あります。結構、恐ろしいものですよ」

「恐ろしい……?」


 悠木は意外な思いにとらわれた。

「興奮が乗じて恐怖心がマヒしてしまうようなことですよね?」

「ええ、そうです」

「怖さを感じなくなるんでしょう? だったらなぜ恐ろしいんです?」

「解けた時が恐ろしいんです」 末次は眉を寄せて言った。


「ひょんなことで、そのクライマーズハイが解けた時が恐ろしい。心の中に溜め込んだ恐怖心が一気に噴き出しますからね。岩壁を攻めている途中で解けてしまったら、そこからもう一歩も登れなくなります」

 

 

『新聞』と『新聞紙』

俺は『新聞』を作りたいんだ。

『新聞紙』を作るのはもう真っ平だ。

 

忙しさに紛れて見えないだけだ。北関 (新聞社) は死に掛けている。

上の連中の玩具にされて腐りかけているんだ。

 

この投稿を握り潰したら、お前ら一生、『新聞紙』を作り続けることになるぞ。

 

 

おわりに

いかがだったでしょうか。

個人的に気に入っているのが、最後の新聞について。何か物を書いたりする人には、重たく響く言葉ではないでしょうか。

 

どれも、映画には含まれていなかったようなので、興味のある方はぜひ小説を読んでみてください。他にも良い言葉がたくさん詰まっている小説です。

 

ブログのタイトルについて

本ブログのタイトルについて。

 

目次

 

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小説「クライマーズハイ

 

出典は横山秀夫の『クライマーズ・ハイ』から。映画化され話題にもなった作品。

地方の新聞社に勤める記者の悠木を中心として、日航機墜落事件をめぐる人間模様を描いた作品。

もう一人の主役は、悠木に山登りの魅力を教えた同僚の安西。

 

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

 

 
ある日、悠木は安西に、


「お前は、何のために山に登るのか?」と尋ね、


安西は一言、

「下りるために登るんさ。」 と答え、そのまま立ち去る。

しかし、その真意は謎のまま。

なぜなら、その直後に安西は倒れて意識不明になってしまったから…。


「下りるために登るんさ」


小説を読んでも、この言葉の背景にある安西の真意や、

また作者の意図が明確にわかるわけではない。

ただ、自分なりに考えてみると、

登る と 下りる、っていうのは、反対の意味の言葉として捉えられ、

登るはポジティブ、下りるはネガティブに捉えられることが多い。

でも、実際は、登るだけが人生ではないし、ときに下りることを選択せざるを得ない場面だってある。

むしろ、下りざるを得ない場面で、

きちんと下りることを判断できるか否かってすごく大切なんじゃないかと。

「諦めたら、そこで試合終了!」 とか、

「頑張れば、いつか報われる」とか、

「戦い続ければ道は開ける!」 みたいな言葉があって

結構そういうのを好んで使う人も多いけど


正直、自分はあまり好きじゃない。

やっぱり、置かれてる状況は、人ぞれぞれだし、抱えている苦しみだってそれぞれ違う。

それを一括りにして、片づけようとしている感じがするからだと思う。

実際に、人生においては、どう考えたって、戦い続けるのが難しい場面だってあるし、

方向転換をしたほうがいいときもある。

諦めずに続けた結果が、過労死とか、そこまでいかなくても心身のバランスを崩してしまう、っていうんじゃ元も子ともないでしょ。

実際に、そういう人は山ほどいるんだから。

大切なことは

なので、むしろ大切なのは、自分の人生を、今の状況を、等身大の自分をトータルで受け入れること、

そして、どんなことだって、最後は「下りる」ときがくる。

もっというと、全てはいつか「下りる」ときのためにある。といってもいいんじゃないかと。

自分は、「下りるために登るんさ」をそんな風に解釈してます。

「登る」 と 「下りる」

それは反対語ではなくて、それぞれ等しく価値のある、2つの道、そして可能性なんだと。

そんな思いもあって、ブログのタイトルにしています。

イギリス、アイルランド、そしてEU離脱

 

EU離脱交渉のカギを握る重要な国の一つが

アイルランド

 

目次

 

ユニオニスト」と「ナショナリスト


アイルランドといえば、EU離脱後の、国境問題をめぐって、イギリスとは、まさに、バチバチの関係となっている。

 

両者の対立に奥深いところには、


連合王国」として、北アイルランド、とイングランドの一体性を保ちたいイギリス、そして北アイルランドユニオニストと呼ばれる人たち

 

一方で、悲願であるアイルランド統一を考える人は、アイルランドにはもちろん、北アイルランドナショナリストと呼ばれる人たちがある。

 

 EU離脱と国境問題

EU離脱交渉において注目を集めているのが、「アイルランド国境」をめぐる問題。

アイルランドは、イギリスがEU加盟国との間で、唯一の陸路で国境を接する国とされている。

「っていうか、イギリスとアイルランドの国境って何? 海で隔てられるでしょ?」

と思う方もいるでしょうが、この地図を見ると、アイルランド島が2つに分かれているのがわかること。

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European Car-Transport Group of Interest http://ecgassociation.eu/Activities/ECG-Regional-Meetings/UK-Ireland


そう、この島 (アイルランド島) は、アイルランドと、イギリス領である北アイルランド地方とに分かれているのである。

これが現在EU離脱交渉の最大の論点の一つになっている。

 

国境問題の今後は?

 

現状では、EU加盟国であるアイルランドと、北アイルランド間には、

国境も、税関も無く、自由に行き来できる状態が確保されている。

しかし!!

イギリスがEUを離脱することで、この関係がどうなるかが争点となっていて


アイルランドとしては、イギリスが離脱した後に、国境ができてしまうことは経済的にはもちろん、歴史的経緯からも認められない。

しかし、EUや、イギリスからすると、EU、非EUの国で自由な行き来という取り扱いになることは、制度が複雑になるなど、課題も多い。



これは、難しい問題……。

今は、イギリス、EUが必死に知恵を絞っている。

 

映画「英国王のスピーチ」について

日本でも話題になった英国王のスピーチ(原題:King's speech) とイギリス英語について

 

ジョージ6世の悩み

王室のジョージ6世は、吃音のためうまくスピーチができない。

それを直すために、言語聴覚士ライオネル・ローグが英語の猛特訓するというのが大まかなストーリー。

 

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© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.


ジョージ6世は、国王ジョージ5世の次男として生まれ、王位は兄のエドワードが継ぐことになっていた。

実際に、父の死後は、兄が、エドワード8世として即位したものの、


離婚歴のあるアメリカ人女性と結婚を進めようとしたことで、イギリス全土を巻き込む論争となった。


結局、議会と首相はこれに反対し、エドワード8世は退位を余儀なくされる。



俗にいう「王冠を賭けた恋」として知られるこの事件によって、

思わぬ形で、ジョージ6世が即位することになるのである。

この作品ではその点も描かれている。

 

映画における英語表現について

さて、この映画では英語表現についても面白いところが多い。

例えば、ライオネルとジョージ6世の掛け合い。


ジョージ6世が「君は【声なき王】を生み出した!」


そして、少しして、ジョージ6世



「私には伝えたいことがある!!!!!」

といった後に、

自ら、はっ!!( ゚Д゚) とする場面がある。


この吹き替え版の訳は決して間違いではないのだけれども、

これだと、なぜ はっ!!としたのかが、いまいち伝わらない。

英語版のほうでは、 【声なき王】というところは、

 

【voiceless king】

となっており、  【伝えるべきことがある】 という部分は

 「Because I have a 【voice!】 」となっている。


つまり、少し前に、 【voiceless king】 と言いながら、

一転して I have a 【voice! 】


と言っている自分の矛盾に気づいて、はっと!したわけである。


The King's Speech - Official Trailer - The Weinstein Company

このシーンは、 こちらの予告編でも取り上げられている (01:33~あたりから)

 

ちなみに

吹き替え版も非常によくできているが、やはり原文でないと伝わらない部分は多い。


それが、また英語の面白さ、奥深さでもある。


ちなみに、映画にも出てくる、ジョージ6世のかわいい娘2人。


お姉さんのほうは、現女王エリザベス2世である。


沈みつつある大英帝国と、

力を付けるアメリカ、ソ連、そして、

最大の敵となる、ナチスドイツ。

ジョージ6世は、その狭間で懸命に生きた国王なのである。

「テロリズム」研究を始めたきっかけ

今回は、私が「テロリズム」研究を始めたきっかけについて。

 

テロリズム」研究へのきっかけ

自分が研究の世界に入る直接のきっかけは、


アラブの春による中東情勢の混乱、リビア、シリアでの内戦、難民問題

 

を目の当たりにしたこと。

 
実際に研究を始めた修士のときに、イスラム国」の勢力拡大を見て、


本格的に対テロ戦争に取り組み始めた。

  
そして、研究を深めるためイギリスに渡って

 

わずか、1か月ほど後に起きたのが、このパリでの同時多発テロ事件であった。

 

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 Sun https://www.thesun.co.uk/topic/isis/

 

イスラム国」への対応をめぐって

 

私は以前からずっと、「イスラム国」のように

 

「国家とつながりを持たない」 テロリストによる脅威については、

 

国際社会が十分に対処できていないのでは?

 
という問題意識があった。

 
そして、それを埋めようと研究をしている最中に、もっとも恐れていた市街地での大規模テロが起きてしまった。

 
この時点で、「イスラム国」は、「シャルリー・エブド」襲撃など様々なテロ活動に関与していたものの、

 

この同時多発テロは、「イスラム国」による、「欧州で最初の大規模テロ」といってよいものであった。

 

同時多発テロ後の動き

 

それゆえ、このテロが与えた影響も極めて大きくこの日を境に、世界は、特にヨーロッパは大きな転機を向かえたともいえる。

 

街のあちこちに武装警官が立ち、セキュリティチェックが厳格化。

 

対テロに関する捜査をめぐっては、警察の権限が大幅に強化され、


また、シリアにおいても本格的な軍事行動も開始された。

 

しかし、これらの「テロ対策」の効果と、また問題点については、

 

国際社会は手探り状態で、


いまだあるべき答えは見出せていない。

 

2018年の今に至っても、まだまだ課題は多いと言える。

カード不正にご用心

 

欧州生活に不可欠なクレジットカード

イギリス、ヨーロッパ生活に必須かつ、便利なのはクレジットカード

 

公共交通機関やホテルの予約に必須なのはもちろんのこと、

 

カード社会のイギリスは、基本的にどこでもカード払いが可能で、いちいち小銭がかさばらなくて便利。


かくいう自分も、日常生活はほぼ全てカードを使用して、お金に触れる機会は少ない

 

本当にクレジットカードは便利!!!

 

…が

  

……が、しかし、

 

 

なんと不正利用にあってしまった……。

 

 ある日の異変


ある日、カード会社の明細を見ていたところ

 

請求額が異様に高い…… 

 

なぜ??

 

よく、明細を見てみると、カナダから覚えのない、某社のブランド品が大量購入されていた。

 

カード会社へ連絡 


慌てて、カード会社に連絡して、事情を説明。

 

 

担当者の方も、すぐに状況を把握し、丁寧に対応してもらった。

(履歴から不正利用も明らかだったからだろう…。)

 

原因は不明。カードの管理はきちんとしていたつもりだったが、

 

あえていえば、不正利用が始まる、1週間ほど前に、ロンドンに出張していた。

  

もしかして、そこで、スキミングなど何らかのことがあった可能性も。

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実際、イギリス、またヨーロッパでは、カードの不正利用は増加傾向とのこと。

 


とにかく、こまめに履歴確認と、暗証番号などの管理は必須。

  

それと、予備のカードもあったほうがいい。

 

 

私は、カード会社に連絡後、すぐに、カードを停止してもらい、再発行の手続き。

 

きちんと、返金もされ、新たなカードも届き、事なきを得たのだった…。

 


ヨーロッパ滞在者は特にご注意を。

 

ネット時代の「問い」と「解」

世の中にはたくさんの「問い」が転がっている。 そして、その問いは大きく2つの種類のものがある。

 

目次

 

解内在型


それは、「解内在型」「解外在型」である。

 

「解内在型」というのは、「8×2= ?」 や、

 

「アメリカの初代大統領は?」


といったように、「問い」の中に既に「答え」が含まれているものを指す。

 

解外在型


その一方で、「解外在型」とは、


地球温暖化の対策は?」や、


核兵器の拡散を止めるには?」などのように、

 

「問い」の中には「答え」が含まれていない問題をいう。


さらに、「解外在型」の中には、


「人はなぜ争うのか?」

「愛とは何か?」

 
あるいは、「生きている意味とは?」 というように、


人類が何百年、いや何千年も問い続けながらも、


いまだ明確な答えが見つかってないものだってある。

 

現代に溢れる諸問題

そして今世界には、「解外在型」の問題で溢れている。

 

国際紛争や、テロ、難民問題はまさにその筆頭だろう。

インターネットが飛躍的に発達したことで、単語をパソコンに打ち込むだけで、

 

多くの問題に対しては、瞬時に様々な「答え」がでてくるようになった。


しかし、そこで出てくるのは、「答えらしきもの」であって、「答え」そのものではないことも多い。

 

よく、「●●問題の真実はこうだ!」とか、

「隠されている真相はこうなっていたんです!」のような論法で、

  

「答え」をだすような議論が (特に匿名) のネットサイト上に散見される。


がそういうのを鵜呑みにしてはいけない。

 

重要な姿勢は

 
残念ながら、難解な問題に、分かりやすい答えは存在しない。


むしろ重要なのは、安易に答えを出すことより、「問い」続けること。


我慢強く、事実と向き合い、一歩一歩近づいていく姿勢が求められている。

 

私も投稿や、ブログを通じて、「問い」の「答え」ではなく、「考えるきっかけ」を提供し、


読者と一緒に考えていけるような発信をできればと思っています。