イギリスの憲法について

よく、イギリスには「憲法」がない、
と言われる。これは、半分正しく、半分違う。そんなイギリス憲法の話。

目次

 

イギリスに憲法はあるの? 

結論から言うと、イギリスに憲法は「ある」。

 

ただ、ややこしいのは、イギリス憲法は、議会制定法、判例法、など複数に分かれていて、それらの「集合体」であるというところ。


特に有名なのは、13世紀 (!) のマグナカルタ、それから、権利章典

スコットランドとの連合法、最近のものだと、EC (EU) 加盟に関するものも含まれる。


しかし、これらをまとめてホッチキスでとめれば、

「イギリス憲法」になるかといえば、そうではない…。

 

目に見えない「慣習法」


これらに加えて、これまでに積み上げられた文章になっていない (!) 慣習法というものがある。

 

特に、首相の任命や、議会の運営、国王大権など、民主主義の根幹を成す部分の多くは慣習法で成り立っていて、成文化されていない点もある。

 

それまでは、そこそこ、うまくいっていたのだけれど、大きな問題が起きたのが、まさに昨年のEU離脱をめぐってであった。

  

現存するマグナカルタ


ちなみに、マグナカルタの原本は、ロンドンにある大英図書館 (British Library) で一般公開されていて、見ることができる。

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British Library http://blogs.bl.uk/collectioncare/2015/05/public-event-magna-carta-under-the-microscope.html

 

このマグナカルタが、800年の時を経て、なおイギリスの屋台骨を支えているというのは、なんとも感慨深い。