「テロリズム」研究を始めたきっかけ
今回は、私が「テロリズム」研究を始めたきっかけについて。
「テロリズム」研究へのきっかけ
自分が研究の世界に入る直接のきっかけは、
アラブの春による中東情勢の混乱、リビア、シリアでの内戦、難民問題
を目の当たりにしたこと。
実際に研究を始めた修士のときに、「イスラム国」の勢力拡大を見て、
本格的に対テロ戦争に取り組み始めた。
そして、研究を深めるためイギリスに渡って
わずか、1か月ほど後に起きたのが、このパリでの同時多発テロ事件であった。
Sun https://www.thesun.co.uk/topic/isis/
「イスラム国」への対応をめぐって
私は以前からずっと、「イスラム国」のように
「国家とつながりを持たない」 テロリストによる脅威については、
国際社会が十分に対処できていないのでは?
という問題意識があった。
そして、それを埋めようと研究をしている最中に、もっとも恐れていた市街地での大規模テロが起きてしまった。
この時点で、「イスラム国」は、「シャルリー・エブド」襲撃など様々なテロ活動に関与していたものの、
この同時多発テロは、「イスラム国」による、「欧州で最初の大規模テロ」といってよいものであった。
同時多発テロ後の動き
それゆえ、このテロが与えた影響も極めて大きくこの日を境に、世界は、特にヨーロッパは大きな転機を向かえたともいえる。
街のあちこちに武装警官が立ち、セキュリティチェックが厳格化。
対テロに関する捜査をめぐっては、警察の権限が大幅に強化され、
また、シリアにおいても本格的な軍事行動も開始された。
しかし、これらの「テロ対策」の効果と、また問題点については、
国際社会は手探り状態で、
いまだあるべき答えは見出せていない。
2018年の今に至っても、まだまだ課題は多いと言える。