EU離脱交渉の現状
現在、イギリスのEU離脱交渉は、第2ラウンドに入っている。
その模様については、ブログでも随時取り上げていくつもりだが、まず昨年末の第1ラウンドの決着についておさらい。
第1ラウンドにおいては、3つ課題が議論された。
① 離脱金
② ECJの司法管轄権をいつまで認めるか
③ アイルランド問題
①の離脱金は、およそ400億ポンドと、当初の予定から倍増させ、
②のECJの司法管轄は、EU離脱後の移行期間も認めるという形で決着した。
全体的に、イギリス側がかなり譲歩した形である。
そして、最後の最後まで、難航したのは、③のアイルランド問題。
この問題に関して、イギリス、DUP,EU、アイルランドの4者で、ぎりぎりまで話し合いが行われ、
イギリス、アイルランド間の国境については、
「EU規制を継続する(regulatory alignment)」
という曖昧な文言でかろうじて合意した。
しかし、この第1ラウンドの合意そのものが、かなり不安定な部分が多く、
現在において、既に行き詰まりを見せつつある。
これからの課題は、
移行期間 (transition period) の設定、と通商交渉。
いよいよ大人しくしていた、保守党の強硬派もいよいよ声をあげてくる。
離脱交渉は、むしろこれからが本番である。
3月末の決着へ向けた議論が本格化していくだろう。